約 90,000 件
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(1) Clinical Characterization of Gastroenteritis-Related Seizures in Children; Impact of Fever and Serum Sodium Levels; J Child Neurol. 2011; 26(11) 1397-400 発熱の有無は痙攣の特徴に影響をあたえなかった. また, 発熱を問わず, 軽度の低ナトリウム血症がある児の方が痙攣が長かった. (2) A comparative study of febrile and afebrile seizures associated with mild gastroenteritis. Brain Dev 2013; 35(7) 636-40 ・有熱群と比較して無熱群では1日に複数回の痙攣を起こす頻度が高かった. ・無熱群と比較して有熱群では5分以上の痙攣を起こす頻度, 痙攣の既往がある頻度が高かった. (3) Comparison between febrile and afebrile seizures associated with mild rotavirusgastroenteritis. Seizure 2013; 22(7) 560-4 ・熱性痙攣群と比較して無熱性痙攣群では以下の特徴を認めた. ・先行する消化器症状のある期間が有意に長い(2.8±1.0日 vs. 1.3±0.8日) ・痙攣発作のエピソードが多い(3.0±1.6 vs. 1.7±1.0エピソード). ・局所型痙攣の頻度が高い(33.3% vs. 6.0%) (4) Clinical features of benign convulsions with mild gastroenteritis in Chinese infants. World J Pediatr 2013; 9(1) 73-5 発症のピークは2病日目で, 72.92%は群発痙攣を呈した. 39.58%の患者は疼痛や啼泣で痙攣が誘発された. 便培養で53.83%の患者からロタウイルスが検出された. (5) Efficacy of antiepileptic drugs in patients with benign convulsion with mild gastroenteritis. Brain Dev 2004; 26 164-7 第一選択薬としてジアゼパムは38%, フェノバルビタールは40%, リドカインは100%で有効であった. (6) 軽症胃腸炎に伴うけいれんに対するphenobarbital静注療法. 脳と発達 2012; 33 461-4 痙攣群発した24例にフェノバルビタール 10mg/kg単回投与し, 全例で痙攣は終息した. (7) 軽症胃腸炎関連けいれん患者における血液, 生化学的変化の検討. 脳と発達 2011; 43 282-4 胃腸炎患者において, 痙攣を認めなかった患者と比較して痙攣を発症した患者では男女比, 血清尿酸値, 血清クロール値で有意差を認めた. また, 痙攣発症患者では全例で尿酸値は高値であった(平均±SD 10.0±2.2mg/dL) (8) 軽症胃腸炎に伴うけいれんで入院した18例の臨床像と治療効果の後方視的検討. 脳と発達 2013; 45 62-63 胃腸炎症状発現から痙攣発症までの時間は平均2.2日, 便中ロタウイルス抗原は約半数で陽性であった. phenytoin(10mg/kg/dose)が全使用例(12/12)で有効であった. (9) 「軽症胃腸炎に伴うけいれん」の臨床像. 小児科臨床 1999; 52 51-55 胃腸炎症状発現から痙攣発症までの期間は平均2.0日, 便中ロタウイルス抗原は約半数で陽性であった. 経過中の下痢の最大回数は約半数で4回以下であった. 再発は7.7%(2/26)でみられた. (10) 軽症胃腸炎関連けいれんに対する少量carbamazepine療法 2005; 37 493-7 CBZ 5mg/kg/dose 1日1回投与で93.8%(15/16)で再発がみられなかった. diazepamは全投与例(14/14)で再発がみられた. (11) Transient splenial lesions in children with “benign convulsions with gastroenteritis”. Brain Dev. 2007; 29 519-21 CwG患者2名でのMRIのDWI所見で一過性の脳梁膨大部異常を認めたことを報告.
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通貨ペア FXというのは、通貨の交換で、交換する為には必ず2つの通貨が一対になっている。これを「通貨ペア」という。 円と米ドルのペアの場合は [USD/JPY] ユーロと円のペアの場合 [EUR/JPY] のように表示される。先に来る通貨1単位に対して、後に来る通貨でいくらという具合になるので、円と米ドルの場合米ドルが前なので「1ドル〇円」となる。各通貨の表示方法と、通貨ペアのうちどっちが先に来るかは決まりがあるので、覚えておこう。 USD = 米ドル EUR = ユーロ JPY = 日本円 GBP = 英ボンド CAD = カナダドル AUD = 豪ドル NZD = ニュージーランドドル CHF = スイスフラン ZAR = 南アフリカランド SGD = シンガポールドル HKD = 香港ドル 取引通貨の特徴 米ドル ユーロ カナダドル シンガポールドル ニュージーランドドル 豪ドル 英ポンド スイスフラン 南アフリカランド 香港ドル FXの基礎知識 FX用語 FXのポイント ファンダメンタルズ 経済指標 中央銀行の金融政策 要人発言 政治問題や突発事項 他の金融マーケット トップページへ
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2012.2.6 那日格拉 中国の伝統的自然観「天人合一」について 張岱年先生は、【中国哲学大綱】のなかで、「中国哲学の天人関係論のなかのいわゆる天人合一には、二つの意味があり、一つは【天人相通】もう一つは【天人相類】である」と指摘されている。この二つの意味のうち、「天人相通」を主張するのは歴代儒家の主流であり、「天人相類」を主張するのはおもに漢代の董仲舒の思想である。 「天人相通」という考え方は、孟子に端を発し、宋代理学において大成した。孟子は「天と人間の本性は一貫しており、人間の本性が天から授けられたものであるから、心を尽くせば本性を知ることができる、それゆえ心を尽くし、本性を知れば天を知ることができる」といっている。宋代の理学者は伝統を受け続いて、やはり「天人合一」について多く主張している。天の本性はすなわち人間の本性であり、天道と人の性は実際は一つに相通じていると主張している。 人間はどのようにすれば「天人合一」を実現することができるのであろうか。儒家の見るところでは、天は人間に合わせることはできず、人間が天に合わせるべきなのである。天が本体であり、人間は天に順応してこそ、はじめて天との合一を最終的に実現することができるということである。 儒家の見るところでは、人間はただ受動的に天に順応するだけではならず、人間の調整および主導的な主体的役割も発揮すべきなのである。 儒家者のなかにも「天人相分」を主張する荀子などもいるが、その数はきわめてすくない。儒家者は多大数が「天人合一」を主張しており、「天人合一」觀は儒家の根本思想の一つであるといえよう。(儒学の生態環境思想とその現代的意義 王家驊) 荀子は「天を客観的存在として自然界に復元して、同時に人間には自然に勝つ能力と、自然を改造する力がある」といっている。 「天人合一」の思想は、その後の科学技術,文伝創作、経済活動といった社会生活のさまざまな方面にわたって徹底的に浸透していた。たとえば、陸機は創作に関しては「天地の形内に籠もり、挫して万物筆端にあり」と述べている。荀子はこういった思想を、じかに社会や経済領域にまで導入して,富国強兵措置とした。業生産の必要に応じて、自然環境を改造すべきである。また、同時に、資源が尽きないように大切に使うことも説いている。たとえば,草木が生長するとき「斧斤山林に入らず」といい、そうすれば「山林童ぜずして、百姓余材有り」といっている。 (東西文化における自然と人間の関係 黄心川 ) 人間は必ず天に勝つという荀子の思想は、それを継承する者がなかったわけではないが、儒学独尊の封建社会では十分に発展しなかった。しかし、近代西洋の学問が東漸してから,とりわけ新文化運動の伝統思想に対する激しい攻撃のもとで伝統思想の地位に変化が起きた。中国人民共和国の成立後、とりわけ一九五八年の大躍進の時期には、「人は必ず天を勝つ]という思想が極致までに達した。 長い封建社会で主導的な位置を占めてきた儒学がいう「天人合一」は複雑で、完全に自然と人間の関係というわけいではない。天は儒学によって天道、天理などの意味を賦与されている。儒学は積極的に実社会に入るという態度で、天と人の相通じるところを探索している。儒学の「天人合一」は、一種の道徳的な内心の超越を追求し、それによって天理、天道、人間性の統一を実現しようとするものである。 (荘子の「天、人」説と自然と人間の関係 陳紹燕 ) 技術の社会である今の現代では、儒学の「天人合一」思想が適当であるか、直面している環境破壊を解決できるのか。 王家驊は「儒学の生態環境思想が結局は伝農業社会の産物であり、そのころの生産力は現代と比べて、非常に低いものであり、人びとは自然のまえで無力の存在であったことを見ておくべきである。そのころ人びとが直面していた生態環境の危機はまだ人類の生存を脅かすほどに深刻ではなかった。それゆえ、そのころの「天人合一」観、自然と人間の関係に対する認識は、おもに自然に順応し、自然との調和共生に到達することを張調しており、消極的で受動的な一面を表していることを免れていない」といっている。 だから、この思想がこのころの生産力低い社会に適当であるが、現代時代に適当ではないということではないか。 また、 黄心川は「儒教の「天人合一」思想は、農業経済における自然資源保護の要求を反映したものであり、小規模生産を基礎とする農業経済における大自然に対する人間の無力感を反映したものでもある。また、この思想は自然を制御、利用するうえでの目票や方向性を明らかにしたが、いかにその目票に達するかという手段について述べていない。したがって中国の歴史においても、自然と人間の調和とは、実現できない空想であり、生態の破壊に対する歯止めとはならなかったのである」といっている。 だから、環境破壊の解決にもできないということではないだろう。 参考文献 「東西的環境思想の現代的意義」
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最近のお勧め記事 【国債】 ■ 今度は国債暴落デマですか CIA朝日新聞。 「超高層マンション スカイヲーカー(2012.2.2)」より ・そもそもの原因は基軸通貨として資格のない米ドルの世界的な通貨撒き散らし政策なのだ。日銀が通貨の番人としての役割を果しているのに対して、FRBは無茶ともいえる極端な金融政策を実行している関係上、膨張する米ドルに対し、引き締め気味の円が買われるのは当然の現象なのであって、円資産の中でも最も安定している日本国債が買われるのは必然的現象であるに過ぎない。 (※ 中略) ・いや、むしろ円高とともに国債価格は上昇傾向さえ示しているからだ。この現象に売り本尊であるヘッジファンドなどの投機集団は大量の売り玉を踏み上げられてしまうのではないかと狂乱状態になっているのではないのか。一見民間を装うヘッジファンドもCIAなどの機関が資金稼ぎのためにかかわっているとのウワサもあるのだが、それはホントのことだろう。だから、日本国債の売り崩しは米国を支配する国際金融資本が総力をあげて取り組んでくる命題となっているのだと思う。 (※ 後略) ★ 数年後の国債急落を想定 三菱UFJ銀が危機シナリオ 「朝日新聞(2012.2.2)」より / 魚拓 .
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第一章 安全保障戦略 目次 第二章 防衛力のあり方 新たな時代における日本の安全保障と防衛力の将来構想 ―「平和創造国家」を目指して― 第一章 安全保障戦略(続) 第3節 戦略と手段 第一章 安全保障戦略(続)第3節 戦略と手段(1)日本の特性と「平和創造国家」としてのアイデンティティ[1]自然環境および地理的特性 [2]経済力・防衛力の特性 [3]歴史的制約要因の特性 [4]「平和創造国家」としてのアイデンティティ (2)日本自身の取り組み[1]安全保障に関わる外交政策 [2]防衛力整備 [3]安全保障に関する省庁間連携と官民協力 (3)同盟国との協力[1]共通の価値と戦略的利害の一致 [2]米国による拡大抑止 (4)多層的な安全保障協力[1]パートナー国との協力 [2]地域の安定化にとって重要な新興国への関与 [3]多国間安全保障枠組みの構築と活用 [4]国連・グローバルレベルでの努力 [5]防衛装備協力・防衛援助 (要約) 本節では、前節に概観した国際安全保障環境の分析を踏まえ、日本の安全保障目標を実現するための戦略および手段を検討する。 (1)日本の特性と「平和創造国家」としてのアイデンティティ [1]自然環境および地理的特性 日本は南北に細長い列島で、長大な海岸線と多くの島嶼を有し、国土は狭く山が多く、国土の縦深性に乏しい。つまり、日本は軍事的に防衛しにくい地理的特性を持っている。また、日本は狭い国土に1億3,000万近い人口を抱える国であり、しかも人口の大部分は狭小な平野部に集中している。都市の生活は高度にシステム化されたライフ・ライン、情報通信等のインフラに依存している。さらに、日本は、地震、台風など自然災害の多い国であり、大規模テロ、感染症の爆発的流行(パンデミック)などにも脆弱である。 [2]経済力・防衛力の特性 日本の経済は、戦後、自由貿易体制の下で驚異的発展を遂げた。しかし、冷戦終結後、その経済力は、新興国の台頭などによって、相対的に低下する趨勢にある。また、少子高齢化も急速に進んでおり、防衛力に多くの資源を投入することはこれからも難しい。さらに、日本は、エネルギー、食糧等、多くの資源を海外に依存しており、これに起因する脆弱性はこれからも継続する。 日本は、第二次世界大戦における敗戦の経験から、戦後一貫して、抑制的防衛政策をとってきた。日本は平和憲法に基づき、他国の脅威にならない専守防衛政策をとり、国民もこれを基本的に支持してきた。また、日米安保体制の下、主として自衛隊が対外的な拒否的抑止力の機能を担い、懲罰的な抑止力については基本的に米軍に依存するという役割分担を維持してきた。さらに日本は、他の先進国には例を見ない事実上の武器禁輸政策を維持し、憲法解釈上、集団的自衛権は行使できないものとして、その安全保障政策、防衛政策を立案、実施してきた。ただし、こうした政策は、日本自身の選択によって変えることができる。 [3]歴史的制約要因の特性 戦後の日本は、協調的外交政策、あるいは政府開発援助(ODA)のような国際協力を通じて国際社会から高い評価を得てきた。これは、日本がグローバルな安全保障環境を改善するため主導的立場をとる上で、有利な条件である。しかし、ODAは近年、減少する傾向にあり、国際社会の高い評価が維持されるかどうかは、今後の日本の選択にかかっている。 一方、アジアの近隣諸国、特に中国、韓国とは、戦争や植民地支配の記憶についての「歴史問題」が継続している。これに起因する近隣諸国の警戒心が、特に安全保障に関する積極的な協力関係を構築する上で、一定の障碍となっていることは否定できない。「歴史問題」について、日中・日韓の歴史共同研究のような努力もなされているが、将来的な行方は、日本自身が過去とどう向き合うかに加え、相手国がどのように日本との関係を構築しようとするかにも依存するため、変化の振れ幅は大きい。 [4]「平和創造国家」としてのアイデンティティ 上に見たような日本の特性を考えれば、日本の外交・安全保障政策が基づくべきアイデンティティとは、国際社会に存在する様々な脅威やリスクを低減するために行動することによって、日本が国際社会における存在価値を高め、同盟、協調関係、さらにはもっと広く外交力を強化することによって、日本自身の防衛力と相まって、自国の安全保障目標を実現しようとする「平和創造国家」と表現することができるだろう。それは、世界の平和と安定に貢献することが、日本の安全と平和を達成する道である、との考えを基礎とし、国際紛争への政治的関与を最低限に抑制しようとした冷戦期の受動的な姿勢とは異なって、国際平和協力、非伝統的安全保障、人間の安全保障といった分野で積極的に活動することを基本姿勢とする。冷戦終結後の日本は漸進的にこうした方向に進んできたが、そうした変革は十分ではなかった。日本は、平和創造国家としてのアイデンティティに則って、持てる資源や手段を最も効果的に利用すべきである。 (2)日本自身の取り組み [1]安全保障に関わる外交政策 今日、一国の安全保障の手段としては、政府による外交および軍事力といった伝統的な要素に加えて、経済力、文化的感化力といった要素が重要性を増し、それに伴って政府だけでなく非政府的主体の役割が拡大し、外交や軍事力も伝統的な形態、役割だけでなく、非伝統的な形態としてパブリック外交※4や非戦闘的機能も重視されるようになっている。さらに、外交・安全保障政策の場も、一国で行われる政策や二国間関係を基調としたものに加え、多国間関係、国際機関等での規範の形成や実行といった多層的、重層的な形態のものが顕著になっている。 今日のグローバル化と国際政治の緊密化を踏まえれば、いかなる国も自国のみによってその安全保障目標を実現することは困難であり、同盟、友好関係の促進、国際環境の全般的な改善策などを講じることが不可欠となっている。しかし、そのためには、自国がその安全のためにいかなる努力をし、どのような責任を負っているかを示すことが前提である。多様化する外交手段を適切に組み合わせ、最大の効果を得るためには、政府が高いレベルで安全保障戦略を検討し、定義する体制を整えることが肝要である。これについては第四章で詳述する。 ※4 パブリック外交とは、政府対政府で行われる伝統的な外交とは異なり、働きかけの対象が相手国の一般国民である場合の外交を指す。世論や国民感情が外交関係に及ぼす影響が増大していることから、近年重視される傾向にある。 [2]防衛力整備 日本の安全保障目標の実現のため、日本独自で行うべき取り組みとして重要なのは、日本自身の防衛力を整備し、抑止力を発揮することである。米国の抑止力に一定程度依存していることは、日本の通常戦力による防衛努力を減じてもよいということを意味しない。それどころか、核兵器の役割を縮小させようとしている米国の核戦略の動向も踏まえれば、通常戦力の分野における日本独自の取り組みは重要性を増している。 防衛力のあり方の詳細については第二章において検討するが、概括的に言えば、冷戦終結後、各国の軍事力における非戦闘的役割は多様化しつつ増大し、信頼醸成、平和活動、災害対応など外交的、民生的役割が加わった。また、先進国を中心に、軍事力は同盟、友好関係を確認、増進する基幹的手段ともなった。日本の防衛力もこうした非戦闘的、非伝統的な役割を徐々に担うようになってきた。しかし、平和創造国家を目指す上では、この面で防衛力をさらに積極的に活用することが不可欠である。そのため、冷戦下において米国の核抑止力に依存しつつ日本に対する限定的な侵略を拒否する役割に特化した「基盤的防衛力」概念がもはや有効でないことを確認し、冷戦期から残されてきた時代に適さない慣行を見直すことが必要である。 [3]安全保障に関する省庁間連携と官民協力 日本一国の努力においても、防衛力のみでは十分ではなく、他の諸手段との連携、すなわち、政府内の各省庁の連携と、官民の間の協力が極めて重要である。現在の世界において、安全保障上の課題の大半は、外交・防衛以外の分野の動員なくして解決は困難であり、防衛力と警察や海上保安庁の警察力あるいは経済的な力とを組み合わせて取り組んでいかなければならない。 政府全体としては、安全保障と危機管理に関する情報力を引き続き強化すべきである。また、領海内における不法行為、大規模災害、重大事故などの危機管理事案のための態勢整備を引き続き図る必要がある。 ODAについては、予算額が過去13年間で半減するなど、日本の国際社会におけるプレゼンスは後退している。民間・政府関係機関の資金の活用も重要な課題であるが、ODAの役割はまだ大きく、厳しい財政事情の中でも一定の水準を確保し、メリハリをつけた上で、関係省庁一体となって効果的活用を図ることが肝要である。また、人間の安全保障の観点から、テロや海賊が生まれる社会・経済的な原因にも着目し、その状況を軽減するための戦略的なODAの活用を検討し、推進することが必要である。人間の安全保障に関する課題には、非政府組織(NGO)、民間企業による支援などを含め、官民が緊密に連携をとりながら取り組むことが求められる。その際、医療や教育など日本が重視してきた分野での援助を続けるとともに、場合によっては現地社会の治安・秩序維持能力を強化するために、軍隊・警察・司法等の治安部門の能力向上に対する取り組みも視野に入れるべきである。 (3)同盟国との協力 [1]共通の価値と戦略的利害の一致 日米同盟関係は、日本の安全保障にとって戦略的意義を持つだけでなく、広く地域と世界の平和と安定の柱ともなっており、また自由民主主義、法の支配、人権といった価値を共有する国同士の同盟として、日本外交の大きな支えとなっている※5。こうした事情を考えれば、日本として、今まで以上に主体的に、日本の安全と世界の平和のために取り組むことが重要であり、それが中長期的に米国との協力を強化し、日本単独では解決・対処できない問題について米国の支援を得る前提ともなる。 日米両国は、2005年2月の日米安全保障協議委員会(2+2)合意で、共通戦略目標を設定して以降、その実現に向けて努力を積み重ねてきた。日本は今後とも米国と不断に協議し、共通戦略目標達成のための役割と能力の実現に努めるべきである。 これまで日本は、開放的な国際経済システムや米国が支えてきたグローバル・コモンズ、たとえば海上・航空輸送路の安全から極めて大きな利益を享受してきた。これらの国際公共財が劣化することは、日本の安全と繁栄を著しく害することとなる。日本は、こうした観点からグローバル・コモンズの安全確保について米国を補完していく必要があり、長年にわたり日本周辺海・空域において行ってきた常続的監視といった役割はこれからもますます重要となる。 ※5 日米安保体制とは、一般に日米安保条約およびその関連取り決め並びにこれらに基づく協力の実態を総称するものである。これに対し、日米同盟とは、一般に、日米安保体制を基盤として、日米両国がその基本的な価値並びに利益をともにする国として、安全保障面をはじめ政治および経済等の各分野で緊密に協調、協力していく関係を総称している。 [2]米国による拡大抑止 米国は、同盟国である日本に対して拡大抑止を提供している。それは通常戦力と核戦力の双方においてである。米国の日本に対する拡大抑止、特に核戦力による拡大抑止は、日本の安全のみならず地域全体の安定を維持するためにも重要である。それは究極的な目標である核兵器廃絶の理念と必ずしも矛盾しない。米国の拡大抑止のコミットメントについて、その実効性を保証するため、米国任せにはせず、日米間で緊密な協議を行う必要がある。 なお、「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則に関して、当面、日本の安全のためにこれを改めなければならないという情勢にはない。しかし、本来、日本の安全保障にとって最も大切なことは核兵器保有国に核兵器を「使わせないこと」であり、一方的に米国の手を縛ることだけを事前に原則として決めておくことは、必ずしも賢明ではない。 日米同盟を通じた日本の安全保障の確保にとって、在日米軍の安定的な駐留は不可欠であり、日本による駐留経費の適切な負担は、これを支援する役割を果たすものである。また、沖縄に米軍基地が集中している現状は、日本国内の基地負担のあり方としてはバランスを欠いており、その負担の軽減努力を継続しなければならないものの、沖縄の地理的・戦略的な重要性に鑑みて、総合的に判断されるべき性質を持っている。 (4)多層的な安全保障協力 紛争の火種を早めに消すため大切なことは、主要国間の協調的な秩序の構築である。日本は、多層的な安全保障協力を通じて、グローバルな予防的関与や、国際公共財の強化、アジア太平洋地域における安定の確保、国際システムの維持に努めるべきである。 [1]パートナー国との協力 日本は、米国の同盟国を中心に韓国、オーストラリアといった域内の「志を共にする国」(like-minded countries)を安全保障協力のパートナー国として、協力を進めるべきである。米国の同盟国とは、安全保障面のみならず政治や経済の面でも利害や価値観を共有しやすく、また装備や運用面でも協力のための基礎的なプラットフォームを共有している。今後、第三章で言及する装備の共同開発なども含め、こうした協力を米国の同盟国に拡げていくことで、日本の安全保障上のパートナーを増やしていくことが必要である。 米国の同盟国・友好国あるいはパートナー国間のネットワークの強化も検討されるべきである。こうしたネットワークは米国のコミットメントを引き続き確保し、同盟国間の安全保障協力を促進する。北東アジアには、日米、米韓という二つの強固な同盟があるが、北朝鮮の核開発や挑発行為への対応を考えれば、日韓安全保障関係を強めることが日米韓のネットワークの強化の観点から望ましいし、また、日米韓以外に協力国を拡大することも検討してよい。 さらに、海上交通の確保の観点から、日本のシーレーンと関わりの深い米国の同盟国・パートナー国との協力関係を深めていくことや、域内にとどまらず、北大西洋条約機構(NATO)や欧州諸国とも協力や交流を積極的に進め、安全保障上の課題に共同して取り組んでいくことも必要である。 新興国であるインドとの安全保障上の協力も強化する必要がある。インドは日本と多くの価値を共有する重要なパートナー国である。またインドはインド洋において中東から日本に至るシーレーンに大きな影響力を及ぼす地域大国でもある。日本はインドと潜在的に多くの戦略的利益を共有している。核不拡散および軍縮についても、インドとの協力を通じて積極的に推進すべきである。 [2]地域の安定化にとって重要な新興国への関与 中国、ロシアのような、地域の安定にとって重要な新興国への関与を強化し、国際システムの維持・構築に積極的に参加する機会を増やすことが必要である。歴史に鑑みれば、新たに台頭した国が国際システムの現状に不満をもち、その結果、国際システムが不安定化するという事例は少なくない。これを避けるには、新興国が「責任ある大国」として国際システムを支える立場に立つことが自らの利益となるという状況を作り出す必要があり、そのために日本が努力すべきである。 国連安保理の常任理事国であり、核兵器を保有する軍事大国でもある隣国の中国やロシアとの関係は日本にとって重要である。両国との信頼関係を強め、両国が国際社会において責任ある行動をとり、また非伝統的安全保障の分野での協力を構築・発展するべく、積極的な関与を行うべきである。 [3]多国間安全保障枠組みの構築と活用 アジア太平洋地域では米国を中心とした同盟関係の比重が大きく、域内国同士または多国間の安全保障上の連携はこれまで限定的だった。その中で、地域における多国間の安全保障枠組みとして、ASEAN地域フォーラム(ARF)は重要であり、ARFは信頼醸成を超えて、「行動指向型」の予防外交メカニズムに踏み出す必要がある。2009年5月、米比の共催で実施された「民主導、軍支援」の災害救援実動演習は、その意味で、大いに歓迎される。日本としては、ASEAN+3、東アジアサミット(EAS)、日中韓サミットなども活用し、主要近隣諸国と安全保障問題を含めた率直な意見交換を進めていくとともに、日米韓、日米豪などの協力関係を基礎として、地域的な安全保障の枠組みを多層的に形成していく必要がある。 テロ、海賊、大規模自然災害、環境問題といった国境を越える非伝統的な脅威に対しては、こうした幾重にもある既存の多国間の枠組みを取捨選択しつつ利用し、また必要に応じて新たに作り上げたりしていく方が現実的である。たとえば、海上自衛隊に加え海上保安庁というアジア太平洋地域でも最高水準の海上勢力を有する日本は、海上安全保障に関する地域的多国間協力を進める責任を有しており、日本が主要な役割を担うアジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)における協力をはじめ、ARFの会期間会合で開始された実務レベルの協力に積極的に参加するなど、取り組みの強化を図ることが重要である。 さらに、人間の安全保障の観点から、防災、保健等の分野についても、アジア太平洋地域におけるネットワーク強化を図るべきである。特に災害や感染症等に関する早期警戒システムを構築すること、コミュニティの防災能力の向上を図るような支援をすることも重要である。 [4]国連・グローバルレベルでの努力 日本は国連などのプラットフォームを使い、グローバルレベルでの安全保障環境の改善に努めるべきである。このレベルでまず重視されるべき課題は、脆弱な国家を国際的に支援し、その国家破綻を防ぐこと、また、破綻国家に対しては、包括的な平和構築支援の取り組みを国際社会が一致して行うことである。日本は紛争後の社会の復興に経済援助や教育支援が果たす役割を重視して積極的に貢献してきたが、その姿勢は継続されるべきである。また、紛争後の武装解除、動員解除、社会復帰(DDR)といった活動についてもこれまで以上に積極的に取り組むべきである。最近、治安部門改革(SSR)の重要性が注目され、軍隊だけでなく、警察、司法の専門家が参加する形の国際協力が一層求められるようになってきていることを考えれば、日本としても、各省庁が足並みを揃え、政府一体としての対応を強化していく必要がある。 日本が国連平和維持活動(PKO)を含めた国際平和協力活動に割ける資源は有限であるが、それを踏まえた上で積極的な参加を志向すべきであり、自衛隊のみならず政府全体の課題として取り組まなければならない。日本の長所や特性が活かせる効果的・効率的な派遣を行うよう努力すべきである。 次に、核兵器をはじめとするWMDの軍備管理・拡散防止の課題が挙げられる。オバマ大統領の呼びかけもあって核軍縮の機運が高まっている。米露両国の戦略核兵器削減合意に引き続き、全核兵器保有国が核兵器削減に向かうことが極めて重要であり、日本として呼びかけていく必要がある。ただし、核兵器を究極的に廃絶するまでの過程においては、通常兵器を含む米国の拡大抑止の信頼性が低下することのないよう、留意する必要がある。 WMDの拡散を防止するには、グローバルレベルで軍備管理レジームを強化していくことが重要であるが、現在NPTによる核不拡散体制は挑戦を受けて動揺しており、核管理体制の包括的な強化が求められている。日本は軍備管理レジームをより実効的なものにするため関係国・関係機関の連携を進めるなどの活動を強化すべきである。これらの活動を進めていく上で、日本が国連における意思決定に深く関わることが望ましい。国連が健全に機能していくことは国際システム維持のためにも重要であるとの観点から、安保理を含めた国連機構改革に積極的に取り組み、安保理の常任理事国となるよう、引き続き努力すべきである。また、日本人の国際機関への積極的な参加を勧めるような制度的な後押しも重要である。 [5]防衛装備協力・防衛援助 これまで日本は「武器を輸出しないことで平和に貢献する」という観点から、武器輸出三原則等により事実上の武器禁輸政策を維持してきた。しかし国際情勢を無視して日本だけが武器輸出を禁じることが世界平和に貢献するという考えは一面的であり、適切な防衛装備の協力や援助の効果を認識すべきである。 そもそもこれまで日本の装備政策のうち貿易管理に関する部分については、「武器輸出三原則等」などと総称されてきたが、これは誤解を与える表現であり、現状については、対米技術供与などの個別の例外措置を除くと事実上の武器禁輸状態となっていると解さざるを得ない。こうした現状は日本の装備政策を時代遅れにしつつある。日本政府が時々の状況に応じて表明した見解や答弁が積み重なり、原則的な武器禁輸政策となっていながら「武器輸出三原則等」といった表現をとってきたことに問題がある※6。 近年、紛争後の平和構築、人道支援・災害救援、テロや海賊等の非伝統的安全保障問題への対応等のための国際協力が拡大している。このような協力の手段として、防衛装備品・装備技術の活用は効果的であり、実際、インドネシア政府による海賊取締り目的のため、同国の海上警察への巡視船艇供与を武器輸出三原則等の例外として認めた事例がある。しかし、事実上の武器禁輸政策のため、個別案件ごとに例外を設ける必要があり、これらの課題に対する国際協力の促進の妨げとなっている。平和創造国家を目指す日本としては、こうした国際協力をむしろ促進すべきであり、この分野については、個別の案件毎に例外を設ける現状の方式を改め、原則輸出を可能とすべきである。 もちろん国際的に見ても装備の国際移転に関する管理体制は厳格となっており、こうした国際基準を遵守し、また、平和創造国家として武力紛争誘発の危険性を高めるような装備の輸出に対して厳格な規制を設けることは言うまでもない。 一般に、装備品の有効な供与によって相手国との紛争は比較的発生しにくくなり、むしろ友好関係が増進される。日本がテロ・海賊対策等のために装備品を有効に供与することは、相手国との二国間関係を増進し、かつ当該国および周辺地域の安定化にも資することによって日本をとりまく安全保障環境の改善にも貢献する。その点からも、このような政策は平和創造国家としての日本のあり方に合致しうるのである。防衛装備協力、防衛援助が国際安全保障環境の改善に資するという理念の下、新たな原則※7をうち立てた上で適切な協力と援助を進めていくべきである。 ※6 1967年、佐藤内閣によって表明されたそもそもの武器輸出三原則は、[1]共産圏諸国、[2]国連決議による武器禁輸国、[3]国際紛争当事国又はそのおそれのある国、への武器禁輸を表明したものである。1976年、三木内閣は政府統一見解として、上記[1]~[3]へは武器禁輸とし、それ以外の国への武器輸出も“慎む”ものとするとした。その後、同年中には、通産大臣国会答弁において、武器技術も武器に準じて取り扱うこととされた。また、当初、“慎む”は必ずしも禁輸を意味しないとされたが、1981年、通産大臣国会答弁において、「“慎む”とは原則としてはだめだということ」との見解が示され、事実上対米武器技術供与等の個別の例外措置を除いて武器輸出は原則的に禁止されることになった。 ※7 この原則には、軍を含む相手国当局への武器の輸出・供与を認めること、他国と共同で武器技術の共同研究開発を行うこと、それらの際には武器・武器技術について第三者への移転について日本の事前同意を得ることを確保すること、日本の資金援助によって開催する訓練やセミナーに軍人の参加を認めること等を含めることが考えられる。 第一章 安全保障戦略 目次 第二章 防衛力のあり方
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トップページ>韓国>歴史と現実 『歴史と現実』70、2008.12 時論 河日植「韓国歴史研究会20年と『歴史と現実』」 企画:『賦役実総』を通じて見た朝鮮王朝の財政構造 宋亮燮「[総論]朝鮮後期財政史研究と『賦役実総』」 宋亮燮「『賦役実総』に表れた財源把握方式と財政政策」 손병규「朝鮮後期国家財源の地域的分配:『賦役実総』の上下納税物を中心に」 권기중「『賦役実総』に記載された地方財政の位相」 論文 鄭東俊「百済初期官制の成立過程:左・右輔と左将・佐平制を中心に」 박미선「一然の新羅史時期区分認識:『三国遺事』紀異編を中心に」 都冕会「韓国近代歴史学の創出と通史体系の確立」 芮大烈「解放以後北韓の労働組合性格論争と労働政策の特徴」 書評 李煜「もうひとつの視点からの地方財政史研究:손병규『조선왕조 재정시스템의 재발견』歴史批評社、2008年」 김재웅「歴史危機の時期に戻る南北関係史と統一全鮮運動:李信澈『北韓民族主義運動研究』歴史批評社、2008年」 『歴史と現実』69、2008.9 時論 한홍구「李明博時代の過去清算と歴史論争」 企画:言論媒体を通じて見た親日の論理 徐栄姫「『国民新報』を通じて見た一新会の合邦論と合邦政局の動向」 임경석「3・1運動期親日の論理と心理」 박종린「『共栄』を通じて見た大東同志会の活動と親日論理」 이태훈「『時事評論』を通じて見た国民協会の近代国家認識と参政権請願論」 이지원「『三千里』を通じて見た親日の論理と情緒」 論文 박진훈「高麗時代出生者の把握と戸籍」 尹京鎮「『高麗史』地理志「大京畿」記事の批判的検討:恭愍王18年京畿度田としての再解釈」 朴京安「鮮初家代の折給に関して」 韓相権「朝鮮時代訴訟と外知部:1560年「慶州府決訟立案」分析」 鄭演植「朝鮮時代以後稲と米の相対的価値と容量」 書評 盧永九「壬辰倭乱に対する当然の再確認:정두희、이경순 編『壬辰倭乱東アジア三国戦争』휴머니스트、2007年」 『歴史と現実』68、2008.6 時論 李信澈「新政権と歴史教科書の乱れ」 特集:高麗初期政体制度の形成 김대식「高麗政治制度史の再検討」 김대식「高麗初期中央官制の成立と変化」 신수정「高麗初期宰相官府の成立と変化」 朴宰佑「高麗初期の台諫制度」 論文 이동주「瓦から見た新羅王京の空間変化」 李益柱「高麗禑王代李穡の政治的位相についての研究」 金伯哲「朝鮮後期英祖代法典整備と『続大典』の編纂」 정상우「1910-1915年朝鮮総督府嘱託の学術調査事業」 争点と討論 우대형「朝鮮伝統社会の経済的遺産:落星台経済研究所の研究成果を中心に」 『歴史と現実』67、2008.3 時論 정창현「北米関係の解氷と李明博政府の課題」 企画:20世紀初西欧思想の受容と変容 이태훈「1920年代初新知識人層の民主主義論とその性格」 허수「1920年代初『開闢』主導層の近代思想紹介様相」 박종린「1920年代初共産主義グループのマルクス主義受容と「唯物史観要領記」 論文 고현아「新羅源花制施行の背景と性格」 최종석「高麗初期の官階授与様相と光宗代文散階導入の背景」 李康漢「整治都監運営の諸様相についての再検討」 朴賢淳「16-17世紀成均館の儒罰」 金景淑「16、17世紀奴良妻並産法と奴婢訴訟」 김현숙「植民地時期合徳里の土地所有関係と旧合徳本堂の農業経営」 書評 白東鉉「アンドレ・シュミッド(Andre Schmid)『帝国のはざまで(Korea between empires 1896-1919)』を読んで韓国近代の民族、民族談論を吟味する」 『歴史と現実』66、2007.12 時論 都冕会「人文韓国プロジェクトと研究者の苦悩」 特集Ⅰ:乙未条約に対する韓中日三国の認識 都冕会「乙未条約はどのように記憶されてきたのか?」 徐栄姫「乙未条約以後大韓帝国集権勢力の情勢認識と対応方案」 呉蓮淑「乙未条約以後アメリカ韓人団体の国内情勢認識」 殷丁泰「乙未条約以後清国政府の韓国認識」 천지명「乙未条約以後日本の「保護国」認識」 特集Ⅱ:高麗時代、どのように研究するべきか 李鍾書「高麗時代研究史研究の必要性と内容」 金仁昊「高麗時代政治史の視角と方法論研究」 한정수「高麗時代儒学研究と方法論摸索」 李鍾書「高麗時代家族・親族研究の歴史と反省」 論文 南武煕「圓測唯識思想の理論体系」 박광연「義寂の『法華経集験記』編纂背景と特徴」 박종진「高麗時期海東耆老会の結成と活動」 朴宗基「李穡の当代史認識と人間観」 鄭秉峻「北韓の韓国戦争企画樹立とソ連の役割」 争点と討論 尹海東「「植民地認識の灰色地帯」のための弁証:下からの近代研究のために」 『歴史と現実』65、2007.9 時論 奇光舒「平和体制への移行のための力強い道程:南北正常階段に付けて」 特集:朝鮮時代刑律の運用と『大明律』 沈載祐「[総論]朝鮮時代刑律の運用と『大明律』」 韓相権「世宗代治盗論と『大明律』:竊盗三犯者処罰をめぐる論弁を中心に」 具徳会「大明律と朝鮮中期刑律上の身分差別」 洪順敏「朝鮮後期盗罪臟罪の構造と『大明律』」 沈載祐「朝鮮末期刑事法体系と『大明律』の位相」 企画:「木簡」と韓国古代の文字生活 尹善泰「韓国古代木簡の形態と種類」 李京燮「咸安城山山城出土題籤軸と古代東アジア世界の文書標識木簡」 全徳在「咸安城山山城木簡の内容と中古期新羅の収取体系」 이용현「雁圧池木簡と東宮周辺」 論文 이규철「朝鮮初期(太祖期~世宗代)対外情報収集活動の実相と変化」 王賢鍾「慶南昌原地域土地調査の施行過程と帳簿体系の変化」 李栄昊「朝鮮土地調査事業における国有地の調査と活用:慶南昌原地域事例を通じて」 柳承烈「韓国の日帝強占期「同化」論研究についてのメタ分析」 書評 고영진「17世紀政治史を見る新しい視角:金容欽『朝鮮後期 政治史 硏究 Ⅰ:仁祖代 政治論의 分化와 變通論』혜안、2006年」 『歴史と現実』64、2007.6 時論 鄭泰憲「不完全だが意味のある「歴史整理」の第一歩:親日派財産還収問題に関して」 特集:壬辰倭乱時期慶尚道地域の戦争対応 盧永九「[総論]戦争と日常:『狐台日録』を通じた壬辰倭乱理解」 盧永九「壬辰倭乱初期慶尚右道義兵の成立と活動領域:金沔義兵部隊を中心に」 鄭海恩「壬辰倭乱時期慶尚道士族の戦争体験:咸陽両班鄭慶雲を中心に」 권기중「壬辰倭乱時期郷吏層の動向と戦後の郷吏社会:慶尚道地域を中心に」 論文 宋容徳「高麗~朝鮮前期の白頭山認識」 정요근「高麗駅路網運営に対する元の介入とその意味」 金暻緑「恭愍王代国際情勢と対外関係の展開様相」 金容欽「朝鮮世祖代政治を見る視角と生六臣」 이항준「ロシア沿黒龍総督ウンテルベルゲル(P.F. Unterberger)の朝鮮移住民認識と政策(1905-1910)」 洪宗郁「解放を前後した経済統制論の展開:朴克采・尹行重を中心に」 書評 金昌賢「21世紀の人々が高麗開京を歩く:韓国歴史研究会開京史研究班『開京의 生活史』휴머니스트、2007年」 『歴史と現実』63、2007.3 時論 朴泰均「2・13協議の国際的意味:アメリカの対外戦略を中心に」 特集:日帝下朝鮮人エリートの社会的基盤とアイデンティティ 李基勲「[総論]従属と優越:植民地エリートの社会的基盤と意識」 장신「日帝下朝鮮人高等官僚の形成とアイデンティティ:高等文官試験行政と合格者を中心に」 이송순「日帝下朝鮮人郡守の社会的位相と現実認識:1920-30年代を中心に」 李基勲「日帝下普通学校教員の社会的位相と自己認識」 문영주「金融組合朝鮮人理事の社会的位相と存在様態」 박윤재「日帝下医師階層の成長とアイデンティティ形成」 양정필「1930年代開城地域新進エリート研究:『高麗時報』同人の社会文化運動を中心に」 論文 박윤선「5世紀中後盤百済の対外関係」 옥나영「『灌頂経』と7世紀新羅の密教」 김영수「大韓帝国を見るロシア学界の視角」 류미나「戦時体制期朝鮮総督府の儒林政策」 争点と討論 지수걸「日帝下の地方統治システムと郡単位「官僚-有志支配体制」:尹海東『支配와 自治』(歴史批評社、2006)に対する論評」 『歴史と現実』62、2006.12 時論 임기환「中国の東北工程が残したもの」 特集Ⅰ:李穡の生涯と思考 朴宗基「[総論]テキスト読解の新鮮さと難しさ」 都賢喆「李穡の書筵講義」 金仁昊「李穡の自我認識と心理的葛藤:禑王5年期を中心に」 蔡雄錫「『牧隠詩藁』を通じて見た李穡の人間関係網:禑王3年(1377)~禑王9年(1383)を中心に」 南東信「牧隠李穡と仏教僧侶の詩文交遊」 特集Ⅱ:韓国現代歴史学の成果と課題 김정인「[総論]韓国現代歴史学の成果と課題」 全徳在「民族主義史学者の『三国史記』認識」 이상국「高麗時代土地所有関係再論」 沈載祐「朝鮮後期社会変動と戸籍台帳研究の課題」 김정인「民族解放闘争を狙うふたつの尺度:独立運動史と民族解放運動史」 論文 문동석「百済泗沘時代貴族勢力の存在様態と大姓八族」 박진훈「朝鮮初期私奴婢定限法議論とその性格」 具都暎「中宗代事大認識の変化:大礼議に対する別行派遣議論を中心に」 書評 이완범「韓国戦争勃発直前の状況:冷戦説と南侵誘導説に対する批判的眺望:鄭秉峻『한국전쟁:38선 충돌과 전쟁의 형성』돌베개、2006年」 『歴史と現実』61、2006.9 時論 오종록「歴史教育が行くべき道」 特集:6-8世紀東アジア国際情勢と三国・南北国の対外関係 余昊奎「[総論]6-8世紀東アジア国際関係史研究の進展を期待して」 余昊奎「冊封号授受を通じて見た周・唐の東方政策と三国の対応」 김종복「南北国の冊封号に対する基礎的検討」 박윤선「威徳王代百済と南北朝の関係」 鄭東俊「7世紀中盤百済の対外政策」 최현화「7世紀中葉唐の韓半島支配戦略」 論文 申炳周「「五台山本」『朝鮮王朝実録』の刊行と補完」 金容欽「潛冶朴知誡の孝治論と変通論」 안승택「日本式近代農法と植民地朝鮮の農俗の差:正条植奨励と散植慣行の衝突を中心に」 김선호「解放直後朝鮮民主党の創党と変化:民族統一戦線運動を中心に」 鄭秉峻「アメリカ資料を通じて見た白凡金九暗殺の背景とアメリカの評価」 書評 김순자「「新興維新」というキーワードで高麗末社会を理解する:洪栄義『高麗末政治史研究』혜안、2005年」 1-20 21-40 41-50 51-60 61-70 71-80 81-90 91-100
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今日は、マル激トーク・オン・ディマンド 第636回(2013年06月22日)「たかがアベノミクス、されどアベノミクス」の内容前半をご紹介します。 http //www.videonews.com/charged/on-demand/631640/002829.php 編者感想として、リフレ効果は神保さんや宮台さんの認識には織り込まれつつあり、では次に、よりリフレ効果を高め、持続させるためにはやはり構造改革みたいなものが必要なんではないか、という形で考えていらっしゃるように思います。 リフレ派としては少し違うのではないか、と思う部分は多々ありますが、あまりここで「やっぱりわかってない」と目くじら立てるよりは、とにかく「期待への働きかけ」が消費や投資、雇用等の実体経済へつながる可能性が認められたわけですから、そこにまずは注目すべきかと思います。 設備投資を実際にどうやって増やすのかは、あれもこれも、いろんな人がいろんなアイデアを出し合っていくのはいいと思うんですよね。実際のところ、リフレ政策で土壌を整えて「よし」と言えるのは、ミクロなレベルでみんなが切磋琢磨して、より競争力のある企業やサービスが生き残る状況があってこそ。その観点では櫻川先生はたくさんのヒントを述べていらっしゃると思います。 そしてとにかく、雇用状況を改善した上で税収を増やし、さらにそれに先行して社会保障を強化し、セーフティネットを充実させる政策を政権に取らせていく、その圧力をかけていく勢力として、いわゆるリフレ派(社会保障強化派)もともに「連帯」していきたいですよね。 目次 バブルは必ずしも悪くない!? 自民党選挙公約 公約の目標値は弱気過ぎる 出足が良くて、それで世の中の雰囲気がバッと変わった 財政規律の乱れが気になる神保さん(日銀独立性編) 神保さん、食い下がる(白川カリスマ喪失編) 中央銀行の市場との対話 「イメージしていた勝ちパターンじゃないよね」 神保さん、財政規律にこだわる(日本人は真面目編) 金融緩和は良い。でも次は? 改革しないと、金融政策も効かないはず アメリカではエクイティファンドが企業を改革する 金融改革なくして緩和しても、設備投資は増えない つづきは、Videonews.comで (一部抜粋、要約しています) 神保:今日のテーマは経済政策。一連のアベノミクスの論争の企画をやってるときに、『経済を動かす2つの単純な論理』という本に助けられた。経済は「バブル」と「リスク」という言葉を理解ればいいと。 著者は慶應技術大学経済学部教授の櫻川昌也さん。 バブルは必ずしも悪くない!? 神保:櫻井さん、バブルというと、批判しているように聞こえますよね。 櫻川:アベノミクスをバブルと言う人がいるけど、それを聞くとアベノミクスをつぶしたいんだなと、そういう論調に見える。それはバブルというものが何か知らない人の言うことで、(現実には)山のようにバブルは起きている。(日本は)一度強烈なのが来たので、強い拒否反応があるが、世界的にはこの20~30年で30回ぐらい起きているわけで。 バブルがトータルで見ると損だったか得だったかは国によってマチマチ。パターンの中でいちばん大損しているのは日本で、他の国を見ると、必ずしもそうではない。あんまりナーバスになる必要はなくて、いい面と悪い面あるわけですから、こういうのもアリなんだと、冷静にみながら対処していくことが大事。 (略) 神保:他の国でバブルの後遺症をもう少しうまく吸収できているのに、日本ができないというのは。 櫻川:不良債権処理が早いか遅いかは重要な問題。アメリカは今回2~3年で処理。アジア通貨危機の時は、IMFが入ったから強制的に1年か2年で処理してしまった。だから回復も早かった。 日本は92年に崩壊して、ケリがつくのが2005年なので13年かかってる。しかも真面目に不良債権処理やり出したのは竹中さんがやり出してからで、そこから数えると3年。最初の10年は何もしていなかった。それが結局高くついた。あれをさっさと処理していれば事態はかなり変わっていた可能性が高い。 92年のときに地価が暴落して、銀行が損したらしいというので宮沢さんが不良債権処理しようと言ったが「なんであれだけ儲けた銀行を助けるんだ」と国民感情が許さなかった。それと、銀行が大損することがいったい次に何が起きるのかを誰もわからなかった。だから、国民も反対してるし、先送りしてもいいだろう、いいだろうと、ずるずる来たのが実態。 自民党選挙公約 神保:これ自体42ページもあって、これ以外に報道向け資料が82ページ。この中で見出しになっているものをピックアップ。 名目3%、実質2%の経済成長実現(今後10年平均) 設備投資を年間70兆円の水準まで回復(3年で) 設備投資減税の実施/法人税の大胆な引き下げ 失業期間6カ月以上の人数を2割減少(5年で) 中小企業の輸出額を2020年までに倍増(10年比) TPPでは「国益にかなう最善の道を追及」 公約の目標値は弱気過ぎる 櫻川:名目3、実質2というのは非常に弱気だなと。もうちょっと強く行ってもいいと私は思う。ほんとに構造改革をやる気があるのなら、もうちょっと高い数字を言ってもいい。設備投資は今60兆円ちょいですから、しかも3年で70兆円とは弱い。もっとガンガン設備投資できるような形をどう作るかということを考えてもいい。たとえば100兆円近くどーんと。 櫻川:法人税というのは本当に下げれるかわからない。これは意味ない。いまは企業にコンサルのような形でエクイティ・ファンドがどんどん入ってきている。彼らが何を指導するかというと、本社はここに置いてください、営業所はこの辺に、支店はこの辺に置きなさいという、そこから始まる。要するに、税金払わなくてもいいように。インターナショナルな世界ではそれが当たり前になっているので、高い法人税を課しているところからは企業は逃げてる。だから(今さら効果がないとしても)これは下げていくしかない。 神保:TPPについては政策集ではとても言及が短い。あまり深くどっちとも言いたくないという感じ。 櫻川:中小企業の輸出額を倍増できればいいんですが、どうやってやるのかと。現実の問題としては、円安がどこまで行くかと。日本の中小企業は半分は韓国と競合しているので、今は立場が逆転してウォン高、円安になってますから韓国の方が困っているわけで、そういう意味では為替がすべてを決める領域だと思う。これは実は円安政策を取るぞと言っているに等しい。 TPPに関してはすごく大事な問題で、日本の産業構造を変えていく、一つの大きなきっかけになると思う。 特に私が期待するのは、日本は会社組織を変えないとやっていけないかも知れない。そして変えることによって伸び代が出てくる可能性がある。ここは重要だが「国益」というのは言語明瞭、意味不明で弱い。 (略) 櫻川:(政策パッケージとしては)ちょっと懐があったかくなればいいかなみたいな程度で、ではどういう風な社会にしたいんだとか、どういう日本を作っていきたいんだ、というような観点はこれからは見えてこない。 宮台:野党の方が、どういう日本を作りたいのかということについても、価値を打ち出せば良いんだけれども、民主党については価値を打ち出したところが、何もできなかったという前例があるし、維新の会が示唆している価値は、実は旧態依然たるものじゃないか、という疑惑が生じている状況で。公約の良し悪しは、選挙においては相対的なものですよね。 神保:下の方はわからないけれども上の方は実現可能性があると言う風に思われるだけでも大きい。 宮台:人々はとにかく景気回復、雇用の改善、これに関心をもっているわけですから。それに答えるような政策を野党が打ち出せない以上、相対的にはこれで十分に強力だと思います。 神保:これが強力である理由は、アベノミクスと言われる経済政策が、うまく行っているように受け止められているから、これならうまく行くんじゃないか、というような見方をされるところがあると思う。櫻川さんとしてはアベノミクスの3本の矢、共産党の志位さんは毒矢だと言いますが、どう評価されていますか。 出足が良くて、それで世の中の雰囲気がバッと変わった 櫻川:出だしは、誰も予想しないぐらいにうまく行ったと思います。いろいろラッキーはあった。金融緩和であんなに円が安くなるなんて誰も思っていなかった。しかも、円が安くなっただけで、あんなに消費が増えるとは誰も思ってなかった。実は意外なことがずっと続いてて、なんでなのか、われわれ専門家筋でもあんまり良くわかってないんですよ。なんでこんなにうまく行ったんだろうというのが。とにかく結果ですから。とりあえず出足が良くて、それで世の中の雰囲気がバッと変わった、というのは、僕は評価していいと思います。 神保:そこまでうまくいった主だった理由は何なんですか。 櫻川:実はいちばんの要因はアメリカなんです。私は今年の4月までNYにいたので良くわかるんですが、住宅価格がずっと下がっていて、アメリカだめだったのが、下げ止まって上昇に転じた。それでアメリカは底を脱せるんだと。今年に入ると、アメリカの景気回復は間違いないという雰囲気が去年の秋口からあった。そうなると、バーナンキは金利を上げてくるだろうと。そうなれば当然、アメリカにお金が集まり、円は売られる。円高は終わったなという雰囲気はNYでは秋口からあった。そこにタイミング良くアベノミクスが出てきて、日本は0金利のまましばらくお金をばら撒いていきますよと言ったので、アメリカのヘッジファンド筋、金融筋が一気に円を売って、一方方向で円安が実現した。 アベノミクス単体でこれだけの効果があったかというとそれは言い過ぎで、基本的にはアメリカ経済の大きな変化、これが非常に大きかったと思います。 それともう一つはユーロがちょっと落ち着いた。相対的に、円を無理に持っていなくてもいいかなという。そういう世界経済の流れが、無理にもう円を持っていなくていいかなみたいな、大きな流れとしてあった。 タイミングが非常に良かった。で、効いた、という感じがします。 財政規律の乱れが気になる神保さん(日銀独立性編) 神保:そこでいうアベノミクスと言うのは1本目の矢の金融緩和ですよね。日銀の独立性とか金融改革が進まないまま、単に緩和緩和というところに懸念があり、次につながる、財政の規律というもの…あまり財政の規律というと、例のリフレ派対反リフレの神学論争みたいな、おまえこっちの陣営か、みたいになるので、そういう文脈でいいたくないんですけど、日銀の白川さんが、ある種、抵抗していたので、それを首根っこ押さえて云々、というときには、これはやっぱりまずいだろうという声があったんだけれども、ちょうど交替の時期、交替の前に白川さん、辞任されたんですよね。どっちみち交替だったわけですが。一応、政権の意を受けた金融政策を取ろうという人を総裁に据えたと。首根っこを押さえないでも自ら進んでそれをやる黒田さんという人を連れてきた。そうすると先生の懸念は払拭されるんですか。つまり、日銀が違うこと考えている時に無理やり政治が何かやらせようとするという部分は。 櫻川:基本的には中央銀行の独立性を後退させたわけですよね。今回のプロセスは明らかにそうで、中央銀行の独立性は歴史的ないろんな問題があって、政府がより金融政策を握っていたときに、財政インフレということが歴史的にいろいろ起きてきたんです。その問題を解決するには、どうも中央銀行を作って、政府とは違った形で動いてもいいように縛りを入れようと。日本に関していうならば、経緯としては、民主政府が出来た後に、中央銀行がなかった。明治政府が財政も運用し、貨幣も発行した。そして西南戦争が起きた。1877年ですか。戦争で非常にお金がかかると。(公債の説明)インフレが起きた。これではダメだといって中央銀行、日銀を作った。歴史の失敗に学んで中央銀行を作ってきて、今にいたっているわけですから、日本はインフレ率はずっと安定していてそういう意味ではいい国だったんですが、デフレになり過ぎて、中央銀行に独立性を与えすぎたんじゃないかと。ちょっとこっちに戻そうという風なことで、良く言えば、与えすぎた独立性を少し返してちょうだいということを今回やった。これが本当に長期的にいい政策だったのか、悪い政策だったのかは、わかりません。 宮台:僕のような素人から見ると、独立性もさることながら、FRBなどと比較すると、日本の中央銀行は、やや、パラノイアというか、偏執狂的に、ある方針に固執しているように見えた。他国の中央銀行であれば、日銀と同程度の独立性であったとしても、これほどまでに、政府の金融緩和策に抵抗するということもなく、いろんなことが、政治側にとっても、うまく転がった可能性もあると思うんですよね。だから、どうして日銀が、それほどまでに、金融緩和イコールインフレ、みたいな、図式に固執するのか、そこは興味深いですよね。 櫻川:私は日銀の方も知ってるんですが、みんな一緒のことを言うんですよね。とにかくちょっとでも緩めたらすぐインフレになって大変なことになると。我々は物価の安定が大事だと。そのためには何を犠牲にしてもいいと思ってるんじゃないかとすら思えるような節は確かにある。彼らも20代後半の頃は非常に優秀だったと思うんですよ、脳みそもやわらかくて。でもあの空間、中央銀行の役所に入って、洗脳とまでは言いませんが、いろいろ教育があるんでしょうね。強硬に反対する取りまきというのがうちわにいて、官僚機構ですから。非常に頑なな集団ができてしまう。 私は中央銀行みたいなところにプロパーのキャリアがいるという仕組みが間違いなんじゃないかと思う。たとえば、銀行の人が行くとか、我々みたいな人間が行くとか、あそこでずっと一生勤めるような人があまりにも多いんですよね。それは非常に非効率なことだし、いちばん問題なのは、どうも話を聞いていると、日本の貨幣価値を守るのか、あなたは日銀を守りたいのか、どっちなんだ、という話。あなたが守りたいのは日本の円の価値じゃなくて、日銀でしょ、つまり人間が組織に張り付いてしまっているものだから、どうしてもそうなってしまうんじゃないかと思う。それが事態を非常にややこしくしていると思う。 アメリカなんかだとFRBがありますけれども、人間の出入りがもっとフレキシブルですよね。FRBを守るためという話を聞くことはない。日本の組織構造というものが、重大な、なんで日銀の人はこうなわけ?みたいな部分を生む。そういう意味ではああいうものは一度解体した方がいいのかも知れない。 そんなに強く独立性を与えているわけじゃないんだけれども、どうもそんな風に使われてしまう。そういうメカニズムがある。 神保さん、食い下がる(白川カリスマ喪失編) 神保:日銀の組織的な問題を踏まえた上で、物価の財政理論でいくと、中央銀行というものが一切物価の管理を止めると。名目の国債残高と将来の所得財政収支の予想が物価水準を決めると。つまり、櫻川先生ご自身の物価上昇率2%の目標というのは、OKというか歓迎なんだけれども、それをやるんであれば本来のポリシーミックス、つまり一方で、非常に保守的な財政運営で財政規律を守るというミックスを持っていなければいけないんじゃないか。その後者が日本はないですよね。それを考えると(日銀の態度には)一定の合理性があると考えられないかと思ったんですが。 日銀から見れば、明らかに財政規律が緩んでいる状態が続いていたわけですよね。そうすると、かなりそこの部分の物価の管理を厳しくしないとならないという風に考えることには一定の正当性があると。 櫻川:白川さんは、長期金利(?)をすごく気にされていましたよね。財政がゆるゆるなので、ここで自分が、お金のところもゆるゆるにしたら、まずい状況が起きるかも知れない、いわゆる財政インフレと言われますけれども、物価を決めるのは国の予算の問題で決まってしまう。そうなると国債が多いわけですから大変なことになってしまう。それを恐れていたのはあると思います。 神保:それでもやはり日銀はそこにこだわり過ぎたという風にご覧になっていますか。今回緩めたわけですよね。だからポリシーミックスの片方が伴っていない。自民党になってさらに財政が緩んでいるようにも見える。現実問題として悪性インフレのリスクが、白川さんたちが心配し過ぎたにしても、懸念してたことが起きるリスクは上がってるのかどうか。 櫻川:難しいですね。僕は白川さんのやった政策自体はそんなに悪いとは思っていないんです。あんなもんかなあと。彼の唯一悪かった点があって、ある時期から、「デフレは日銀だけのせいじゃない」と言い出した。国民からしたら「えっ、責任を取らないわけ?通貨の番人でしょ、あなたは」と。だから期待してたし、だから厳しい政策やってもみんなついていったのに。日銀の総裁というのはやっぱりカリスマでなければならないし、カリスマを演じる必要がある。普通の人とは違うという。彼はデフレを解決するのは、今の中央銀行の政策だけでは難しいかも知れないけれども、時間をかけても絶対やりますと言うべきだった。これを日銀だけではダメだとか。人は責任逃れをしていると見る。 あの辺から白川さんに対する批判がすごく激しくなって、ものすごくブーイングがあったじゃないですか。辞める直前とか。ひどいじゃないかというぐらいに。ブーイングで引きずりおろされたと見えるような状況だった。 中央銀行の信任を維持していくために、中央銀行の総裁を演じるということに失敗した。そこがいちばん良くなかった。 政策的には、ちょっと引き締め過ぎかなとは思いましたけど、わたしだったらどうかな、もっと違ったことはやったと思いますね。やはりこれだけ沈滞しているわけですから、あそこまで引き締めるとむしろ、気持ちの点で人間てもたないだろうと。その辺が、演ずるのがヘタクソだったなと。 実は、データを見てみると、グリーンスパンとかがものすごくお金をばらまいたように見えますけど、しゃべりはうまいんだけどあんまりお金をばらまいてないです。 中央銀行の市場との対話 神保:アナウンスメント効果ね。 櫻川:海外の中央銀行を見ても、言うほどお金は撒いてない。バーナンキがリーマンショックの後のQEとかでばら撒きましたが、それまでアメリカの金融政策ではほとんどお金はばら撒いてない。白川さんは結構ばら撒いてる。ばら撒いているんだけどそう見えない。マーケットも動かない。派手なことを言うとウォール街のマーケットは反応する。そういうところがすごくヘタクソで。 神保:じゃぁマーケットと対話ができていなかったというのは本当なんですね。 櫻川:マーケットの対話ということは根本的にはわかっていなかった。そこが彼の残念なところ。やったことは実はそんなに悪い政策じゃない。 宮台:さっきの櫻川先生のバブルに関するコメントにも絡むことなんだけれども、期待を操縦するというマインドが白川さんにはなかったんですよね。緩和しているのに、高橋さんなんかはペースの問題だと言ったけれども、それもあるんだけど、要は、市場との対話、市場に期待を作ることができていなかったことが問題ですよね。 バーナンキさんは、皆さんバーナンキさんの発言に一喜一憂状態じゃないですか。すごいですよね。 神保:今回、安倍政権だって黒田さんになってから、すごいいろいろやってるように見えるけど、実際に始まるのは14年からですよね。だからまだ、新しい体制になってからの金融政策と言うのはまだ実施されていない。にも関わらずというのは、対話がうまいと見るべきなんですか、それともちょっと煽り過ぎなんじゃないのと見るべきなんですか。 櫻川:優れた総裁というのはいかにお金をばら撒かないで影響を与えるかだと思います。ちょっとお金を出してすごく効果を高めるのが望ましい。 神保:ここで経済再生担当大臣の甘利明さんが講演でアベノミクスについて面白いことを言っています。特に金融政策について意外だと思ったんですが。 甘利経済再生担当大臣(2013年6月19日 日本記者クラブ) 安倍総理は金融政策の力というのをすごく信じていた人なんです。党内でいうと、山本幸三さんみたいな人なんですね。我々からすると山本幸三論は「そんなのないよ、そんな簡単だったら明日でもできるんじゃないか」みたいな話だったんですけども、結局やっぱり、大胆な金融政策というのは、私が想像した以上に、影響力があるっていうことです。万能とは言いませんけれども、大胆な金融政策って、私が考えてた以上に、相当強力なパワーだな、というのが反省です。それで終わってはだめなんですよ。だから需給ギャップも埋めていく政策、スタートは官需で埋めていくけれども、民需でも埋めていく、スイッチしていくんですが、そこに金融政策が絡んでいると、これは、こんなに強力になるんだ、ということは、私自身の反省点ですね。 神保:非常に正直に、甘利さんももともとは、「要するに山本幸三さん的な話だろ」と。そんなうまく行くわけないと思ったら、意外や意外、すごくうまく行って、むしろ反省しているって、非常に正直に言われてたんだけど、どうご覧になりますか。 櫻川:それはいつわらざるところだと思いますし、そう思っている人は多いと思います。 神保:金融政策のおかげでいまこういう風になっているという認識に見えて、実は必ずしもそうではないわけですよね。日本側の問題ではなかった。ここは、どう思ったっていいじゃないかという考え方もできるけれども、どうですか。金融政策がうまくいったためだ、と理解されることの危険性というかですね、それによって発生するリスクみたいなものはありますか。 「イメージしていた勝ちパターンじゃないよね」 櫻川:野球のたとえで言うならば、試合には勝ったけれども勝ち方が悪いという状況だと思うんです。つまり、予想していたのは、金融緩和をすることによって、実質金利が下がってくれて、設備投資が増えていく。それにつられて消費が増える。多少円安があって輸出は伸びるけど。そういうことをイメージしていた。まぁ正攻法だと思うんですね。現実にはそれとまったく違う形で良くなってしまった。これをどう評価するか。勝負には勝ってるんだけれども、この勝ち方って、イメージしていた勝ちパターンじゃないよね。勝ちパターンじゃないときに勝っているときにどう判断するか。それで良しとすべきか。これはラッキーだと思って、驕らないで、締めていくところは締めていくと。その辺のところが、見極めをちゃんとしないと、結果だけ見て「効いた、効いた」と。勝負長いですから、5年ぐらいかかって、評価すべき政策だと思うんですね。まだ半年ですから、まだまだ先はある。これから梅雨から夏にさしかかるときにどうやっていくか、と言うと、今までのようなことは使えないと思うんですよ。やっぱり行き過ぎた円高の修正という部分もあったわけですし、このまま金融緩和しててさらに円が120円、130円と行くとも思えませんしね。 神保:緩和すればこんなにうまく行くんだ、と、専門家は別にして、多くの人が思っている節があるので、今回、ちょっとマーケットが調整、戻すような局面になったということで、そのさなかで日銀の政策決定会合が開かれたと。一応、据え置きとなりましたよね。それに対して、幻滅の反応が出る。緩めりゃいくんだから、なんでもう1回行かないんだ、という感じ。金融を緩めたからこんなにうまく行ったという非常に単純にみられていることの副作用なのかなと。それによって幻滅の方にマーケットが反応することがすでに起きている。政策決定会合とそれへの市場の反応をどう思われましたか。 櫻川:日銀の人たちは本当はあんまり緩めたくないんでしょうね。だから今回は無理に緩めなくてもそんなに文句は言われないだろうし、それで景気が悪くなることもないだろうから、とりあえず据え置きだと。この後どうしていくのかなというのはあると思います。もともとあんまり辻褄が合っているわけじゃない政策なので、この後どうやってしのいでいくのかなというのはあると思います。 神保さん、財政規律にこだわる(日本人は真面目編) 神保:3の矢はスカだったということなんですが、いちばん目玉が医薬品のネット解禁だとか、売り上げがそんな増えるとも思えない。薬局がつぶれてケンコーコムが儲かるというのはあるのかも知れないけど、それによって薬のマーケットが急に大きくなるとも思えないし、混合医療の解禁とか、どうも3本目の矢というのはそんなもの。 2本目の矢は、要するに財政政策ということなんだけど、一方で、成長すれば税収も増えるから、財政問題は、解決するんではないかという前提があるのかわからないんですけど、2の矢の話があまり取りざたされていないが、ここで財政規律と言うものをきちんとしなければ、財政が緩いというままいった場合、どういうことを心配しなきゃいけないんですか。 櫻川:財政再建をする気がないとマーケットに読まれたら終わりでしょうね。いまは一応、時間がかかるかも知れないけどやると言っている。マーケットも、信用したいんですよ。日本は大丈夫だよね、みたいな。 どうもその専門家に聞くと、日本とドイツって人気あるらしいですね。人間正直だから、国民が最後税金払って、雇用問題解決してくるっていう。その辺が南ヨーロッパの国に対する評価とは違う。それは非常に重要なことで、海外の投資家筋はあまり日本の国債市場にちょっかいを出して来ない。だから円も高くなる。いざとなったら円を持っていればいいというのは円に対する信用がある。 今まではそれがありますが、ほんとにこれを無視したような財政緩和策をやり出したら、それはその限りではないと思います。日本だめだよこれ、やる気ないよ、政治的にやれないんだろうなとかね。彼らはわれわれが深刻に思っているほど思ってないんですね。日本は、結局長期金利はまだ安いから、ああいうこと言ってるだけで、いざとなったらちゃんとやるよと思ってるわけです。我々が我々日本人に対して、ある意味、すごく信用しているんですね。だからマーケットでもおかしなことは起きてないわけで、我々から見るとこれだけ財政状況が悪いにも関わらず、なんで長期金利が安いのだろうと。国内の金融機関が持っている比率が高いからだと言いますけど、外国人が7%ぐらい持っているわけですから、彼らは非常におとなしい。これはある種の信頼があるんだと思うんですね。 その信頼がどこまで持つかはこれからの政策に関わる。補正予算で大盤振る舞いしているし。2の矢で本当に財政出動するのかというのはポイントになってくるかも知れない。 神保:1の矢は思っていた以上にすごい効いたと。2の矢は、自民党は公共事業でばらまきたいわけですよ。選挙もあるし。3にいたっては規制緩和と構造改革ですよね。これは選挙もあるから非常にやりにくい。今回だって、全面解禁と言ったあとに、その日の夕方にやっぱやめましたになるっていうのは、議員たちから泣きが入るわけですよね。薬剤師の現役の議員だけで4人もいるし、OBも入れると15人ぐらいいるらしいから、安倍さんが午前中に全面解禁と言って、夕方には一部を除いて、などと繰り返すのを見ても、どうもアベノミクスというパッケージは、たまたますごいうまく行ったと言うけれども今言ったように偶然の組み合わせもいろいろあったと。はっきり言ったところが重要だったとは思うけれど。 2、3は、1とのポリシーミックスにもなっていないし、3にいたってはスカであると言う風にも見えるじゃない。でもパッケージとしてはすごい評価高いよね。 金融緩和は良い。でも次は? 宮台:いや、金融緩和しないよりも緩和した方が良かったことは間違いないけれども、今後どうなのかということではないでしょうか。震災復興を口実にして国土強靭化で既得権益を持った人たちにお金を回していくことだとか。薬のネット販売も、既存の市場のプレーヤーを少しシフトするだけの話なので。新しい市場を創造して、そこに人びとの活発な経済活動を、という話とはちょっと違う。 2の矢関連も3の矢関連もしょぼい。 日本の行政官僚は基本的には議員も族議員になって、行政官僚省庁といったいになって、既得権益者の権益を守ると言うことが人々を「ハッピー」にすることだという枠の中で動いてきて。 まったく新しい市場をつくるなどは難しい。 集票装置を傷付けるようなことは今は言えない。 改革しないと、金融政策も効かないはず 神保:銀行が貸し付けできないといけない。地銀がひどくて、50%以上が国債に回っていたりする。国債を買うことがメインになってる現状がある。 金融システムが劣化していて、それを改革しなければいけないのに、それが政策に入っていない。 金融政策が効かない一つの理由として、そこがあるんだけど、そこは依然として手が付けられていないのか、そしてそれはなぜなのか。 アメリカではエクイティファンドが企業を改革する 櫻川:一言で言えば遅れている。遅れていることに気づいていない。20年ぐらい前までは、銀行が金融の中心にいて、企業を審査してお金を貸す。それが一つのひな形で、そうナルト日本の銀行は優秀で、いい仕事したんです。 ところが時代が変わって、アメリカなんかでも主流なのはプライベート・エクイティ・ファンド。金持ちから金を集めてきて企業にもっていく。そこで経営の中身をすぐ聞く。株主の収益率を高めるために経営にすごく文句をつける。昔は金融仲介は銀行がやって審査もしていたが、今はもうコンサルになっている。お金を出すだけじゃなく経営コンサルもやる。いろんな業種を見ているから、企業の弱点とかもわかってしまう。どんどん企業の中に入っていって、経営改善を要求する。最後にお金出すからリストラしろと。ものすごいシビア。このプロジェクトはお金出すけど、このプロジェクトは儲からないからお金出さないと。縮小してくださいと。アメリカのダイナミズムはある意味それが作っている。M Aが多いです。あれは統合と切り刻むのを繰り返しやることで、いいプロジェクトだけを残して悪いプロジェクトを淘汰している。そしてどーんとリストラもやる。収益性のあるプロジェクトを残す為のツールなんです。日本は日本の企業のカルチャーと合わないといって、そういうやり方を排除している。 日本の企業でやっているのは、一つの会社で5つぐらいのプロジェクトを持っていて、日本人はいい仕事しますからいいプロジェクトがあるんですよ。その時にいいプロジェクトを大きくしていって、ダメなプロジェクトを縮小していくことがやれない。内部の会社の事情があるんでしょうけど。結局、いいプロジェクトができたらその上がりで他の4つも残せると。いいものを食い物にしてしまう。そうなると伸びないですよね。ある意味企業の中の護送船団方式のようなことをずっとやっている。 今の銀行の貸出中心では、銀行はそこまで言いませんから、変えれないわけなんですね。これを変えようとするなら、金を出すけど経営改善の要求もするというタイプの投資家が入ってこないとダメなんだけど、日本の企業はこれを徹底して排除している。 この構造を壊していかないと企業は強くならないし、いい金融システムもできない。 神保:ひところ市場からの直接金融、間接金融みたいな話で、市場から直接お金を引っ張ってくるのがこれからは大事という話はずいぶんあったが、結局いまでは誰も言わなくなってしまった。今回アベノミクスで金融を緩めたら、銀行が貸し出すことが大事だと言う、金融機関からの貸し出しが前提になってるような話。それも確かに低いとは思うが、国債ばかり買ってる状態は問題あると思うが、本来はそっちよりも株式市場の活性化とか、株主の権利とかそうしたものを改革していくことで、直接金融っていう風な流れだったはずなのに。 櫻川:お金を出すだけだったら、日本人はお金を持っている。だから、ノーサンキュー。要らない。金融機関からお金を借りる必要がない。でも今はお金も出すけど知恵もだす時代になって、そこに乗り遅れている。 神保:ファンドというと悪者みたいな感じ。 櫻川:結構真面目にやってるファンドがあって、企業の問題点を的確について、企業を改善して伸ばす。短期の利益を求めるんじゃなくて、5年とか10年とかの単位でこの会社といっしょにやっていこうみたいな。増えてる。その流れに日本の企業、金融というのが乗り遅れている。 金融改革なくして緩和しても、設備投資は増えない 神保:金融改革がないまま、金融緩和を進めるとどうなるのか。 櫻川:設備投資が増えないわけです。企業だけではアイデアが行き詰ってるわけだから。お金はあるけど投資するものがないという状況です。そうするとその溢れたお金がどこへ行くか。今までは銀行が国債を買ってたわけですけど、今は中央銀行がすごいペースで買いますから、海外へ行くか、国内でバブルが起きるしかない。 宮台:既存の枠組みを前提としたもたれ合いがやはりあるんだろうと。ソニーの話で、ゲーム部門と家電部門でほとんど同じ機能を持った競合する製品を出し続けていたとか。要素技術としてはAppleのITMSと同じものがあったが、DVDなどがあって圧迫してはいけないので、顧客向けサービスとして売り出せなかったとか。 内側しか見ていない。中長期的にどうすれば企業が生き残れるかということではなくて。 人や部署をいかにして生き残らせるかと言う。日本的な意味である意味公共的だと思われているんですね。経営者がいろんなことを見渡して判断しているという風に、勘違いされる。 つづきは、Videonews.comで http //www.videonews.com/charged/on-demand/631640/002829.php 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/ce00582/pages/3136.html
2008 Shocks, structures or monetary policies? The Euro Area and US after 2001 Lawrence Christiano Roberto Motto,and Massimo Rostagno Journal of Economic Dynamics and Control Volume 32, Issue 8, Pages 2476-2506 実家で読む。興味深い論文でした。この論文は、著者のホームページから入手可能です。著者は、ノースウエスタン大学の先生です。論文のテーマは、金融危機を含む動学的一般均衡理論です。正直、過去の人だと思っていました。しかし、そうではないんですね。正直、金融部門に関して、どのように仮定しているのかすら分かりません。再読の必要があります。
https://w.atwiki.jp/nextgov/pages/40.html
90 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/05/01(木) 04 35 05 ID UyT6RREF ここの頭いい人たちで馬鹿なオラにもわかる解説をお願いできませんか? 社会保障制度における望ましい財源調達手段 http //www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/06j057.pdf 消費税がいいよって話みたいなんだけど全然わかんないんだよ(T T) 99 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/05/01(木) 06 10 14 ID 3YewfU/Y 90 おれもこの論文は急に読んでも理解できない 経済の数式モデルで、政策の効果を評価しようという論文と見たが 結論と数理計算の表の解釈が言葉で書かれていないので、表の数字の意味を追わないといけないのが専門外の人にはつらいね そこをもう少し詳しく書けば(例えば、表11から13の示すと意味をもう少し文章で箇条書きで纏めないと、計算した当事者は分かっているのだろうが、部外者には数字の意味を読み取るのがつらい)良いと思う 消費税についていえば 1.所得税(利子課税を含む)に比べ、脱税の余地が少ない 現在の所得税については、源泉徴収のサラリーマンとそれ以外の人(必要経費が認められる)とでの不公平感が大きい 2.社会保険料方式も似たところがある サラリーマン以外からどう徴収するか さらに、サラリーマン以外は見かけ収入が少ないという問題も同じ 3.消費税は、逆累進(所得の低い人に負担が重いと)が言われたが、現実には高所得者(申告所得でなく実質所得)は高い金額の買い物をする(例えば外食で高級店で高額の支払いをする)可能性がある だから、逆累進も強調されるほどのことはない ということで、消費税がいいんじゃないかという結論と世間では言われる(欧米モデル) 104 名前:lambda[sage] 投稿日:2008/05/01(木) 11 54 35 ID lNAIg6ag 90 読みました。 だいたいWikipedia氏が書いてくれたとおりだと思います。 もっと大雑把にいうと、所得税は、主にサラリーマンが支払っています。 そのため、18~60(?)前後(定年まで)の人は所得税を払うが、 定年退職すると払わなくてよい。 そして、人口が逆ピラミッド型で、どんどん定年退職し非生産人口が増えると 所得税で得られる絶対額は減るのに、社会保障費として支出は出ていく。 したがって、退職した後の人にも税金を負担してもらいましょう、 というのが消費税の位置づけです。(と私は理解しています) 高度成長期は全人口に対するサラリーマン(昔は勤め人と言った)の比率が ぐっと増えたから所得税で納める金額が応分のものだった。 しかしもう現役世代の負担が大きくなりすぎたと、そういうことでしょう。 (年金と同じ) 114 名前:90[] 投稿日:2008/05/01(木) 14 20 34 ID UyT6RREF 99 104 先生がた、ありがとう。 1.わかんなくても平気 2.消費税ってのは言われてるほどダメシステムってばかりじゃない って解釈しました。 115 名前:名無しさん@3周年[] 投稿日:2008/05/01(木) 21 19 36 ID 3YewfU/Y 114 ども お役に立てれば 99 補足 おれなら、表11から13の示すと意味をもう少し文章で箇条書きで纏めるけど 折角の論文が数表だけじゃ、インパクトが弱いぜ、もったいないよ
https://w.atwiki.jp/pediatrics-memo/pages/15.html
・Factors Distinguishing Spetic Arthritis from Transient Synovitis of the Hip in Children. A Prospective Study J Bone Joint Surg Am. 2006; 88(6) 1251-7 単純性股関節炎との鑑別における化膿性股関節炎の予測因子としては発熱(口腔温 38.5℃), CRP上昇, 赤沈亢進, 体重負荷への拒絶, 血清白血球数増加が挙げられる. CRP 2mg/dlが強力で独立した危険因子であった.